ホーム・総合案内 2008年夏7月から9月の気象図
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稲作気象指数動向
気象要素別
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稲作気象指数による作況指数の予測方法について(編集途中)
ようこそ”桜前線研究所”

トップページへ                                                            2007年7月18日    

項目 説明 備考
基本的な概念  稲作気象指数とは、全国あるいは各地域の水稲の生育状況や作況指数(作柄の良否指数)を気象データを使って予測することを目的として、水稲の作況指数を大きく支配している気温、日照時間及び降水量の3要素を統計的に加工して作成した年次ごとの気象条件・気象環境の良否を表す指標のことである。
 この指標は、具体的には、よく受験生の成績評価等に使われているいわゆる
「偏差値」計算の手法を応用して計算されるが、計算された結果は稲作農家が経験的に感じる気象の良否とも感覚的に一致するものと思われる。
 従って、こうして作成された指標は、水稲の作柄(作況指数)と強い相関関係があり、この関係を利用すると気象庁のHPで提供される気象データからほぼ
リアルタイムで作柄を予測できるようになる。
 この稲作気象指数を用いた作柄予測手法は、地域によっては一定の限界があるが、全国段階(あるいは全国をいくつかに区分けした広い地域)においては、
気象の良否の大勢、作柄の大勢を早い段階から追跡・把握できるというメリットもある。
 なお、本年からは、各気象要素ごとの気象指数の表象も開始した。
詳細な説明はここをクリック。この説明は、2006年に作成したものであるが、説明が長いのでここでは新たに簡単に説明することにした。

注:この稲作気象指数からの作柄予測は、気象庁のデータに大きく依存しているが、その前提条件として過去の正確な作況調査結果が必要とされる。農林水産省の作況調査結果としてこれまで毎年公表されているが、ここで実施されている坪刈調査は正確な生育モニタリングを行うために極めて重要な調査である。
具体的な
計算方法
 日本の米の作柄は、全国的には夏(7月〜9月)の気象の良否に支配されている。その期間の気温が高く、日照時間が多く、降水量が少ないと作柄は良くなり、反対だと悪くなる。これらの気象要素は相互に関連性が深いことから、どれかひとつの要素からでも作柄予測ができるが、精度をあげるためにはこれら3要素を総合してひとつの指標にするとよい。
 しかし、これら3要素は測定単位も変動の大きさも異なることから、このような場合、
それぞれの要素の積算値について「偏差値」の計算を行うと、データが標準化され、総合指標としてのそれらの偏差値の平均値を「稲作気象指数」として計算することができるようになる。気象指数はこのように性格の異なるデータを標準化する考え方で計算されるものである。
 なお、降水量の偏差値については、降水量の多少は水稲の作柄と負の相関関係にあることから、3要素の平均値を求める際に、偏差値の逆変換(例えば60は40に、45は55に)しておく必要がある。

全国一本の作況指数予測に当たって、7月から9月の気象を対象としていることについては、迷うところもあるが、ここではこの3月が重要と割り切っている。
気象3要素に全天日射量も投入することも考えられるが、これは日照時間と極めて相関が高いので、日照時間をみれば十分と思われる。

計算方法そのものは、標準偏差の計算と意味が分かれば極めて簡単である。
予測式(回帰式)
の計算
 稲作気象指数から作況指数を予測するための回帰式は、9月30日現在の稲作気象指数を独立変数とし、農林水産省から発表される収穫期の作況指数を従属変数として行う。回帰モデルは2次関数式を用いる。従って、ここで予想する作況指数は、厳密に言えば、農林水産省が収穫期に発表する作況指数の予測をしていることになる。
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予測式からの
作況指数予測
 上記によって作成した式に、当年の稲作気象指数を投入して予測する。この場合、理論的には、9月30日までまたないと予測できない訳であるが、稲作気象指数は8月に入るとほぼ固まり、変動が少なくなることが知られており、この特質を踏まえると、実務的にはこの式に途中経過時点の稲作気象指数を投入して作況指数を推計してみることが出来る。
 7月1日以降のモニタリングはこのような考え方で行うものであり、従って7月始めの段階は極めて変動が大きいが、次第にその年の気象の良否を反映した作況指数が試算されるようになる。また、この場合、回帰推定誤差も7月1日以降日別に計算できることから、この
誤差の程度も見ながら作況予想の信頼性を評価することが出来る






平成19年産の作況指数予測に当たっては、左記の回帰誤差を予測グラフの中に織り込んだ、「台風進路予想方式」により作況予想を行った。
計算結果の
効果と役割
 例えば、7月1日を起点として、9月まで毎日同じ方法で、3要素についての積算値を計算し、そこから気象指数を求めると、その指数のモニタリングを通じて、毎日の作況指数がほぼリアルタイムで予想できるようになる
 こうしておけば、低温(冷害)や台風等の影響も日々えられるようになり、早期警報システムとしての役割も果たすことが出来る。
 こうした計算はかなり昔から理論的には分かっていたことであるが、Web時代となり、経費的にも技術的にも多くの問題が解決され、夢が簡単に実現できる時代となった。もちろん、まだまだ試行錯誤が必要でり、新たな課題も生じて来るかも知れないが、努力のし甲斐がみえるような時代になったと感じている。
計算の起点(計算期間)を何時にするかは、計算する人の考えによる。当研究所では7月1日を起点にしている。
稲作気象指数と作況指数の計算結果  この考え方に基づいて、行った稲作気象指数作況指数の推定結果は、本ホームページのトップページに示すとおりである。
まずまずの精度が得られている。しかし、この精度にはいろいろあって高い精度でないと満足しない人、それ程高くなくても満足する人がいる。
北日本での計算
 なお、北日本(北海道、東北、北陸)を対象に生育初期からの稲作気象指数の計算も行っている。この稲作気象指数からの作柄予測は行っていないが、この時期の気象の良否は、最終的な作柄の良否とまだ大きな相関関係がないためである。しかし、この期間の生育の良否には関係があると思われるので参考までの計算結果である。「ないよりはまし」という程度のものであるかも知れない。また、気象要素別にも計算を試みた。これらの計算は5月1日を起点として6月まで行い、7月からは全国一本の中で計算していく考えでいる。
平成18年、平成19年と計算を続けてきたが、これまでのところこのモデルでそこそこの予測が出来るという確信が得られている。
7月1日の起点についても妥当と思っているが、終点については9月15日か9月20日でも良いような気がしている。

(注) 2007年10月22日に一部追記した。 2008年7月一部修正。